館報まっさき 第334号(令和4年10月20日発行)

巨大地震に備えて・・・後発地震注意情報

近い将来の発生の切迫性が指摘されている大規模地震の中に日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震がある。
県は9月20日、日本海溝(特に三陸・日高沖)、千島海溝(特に十勝・根室沖)、震災の震源域と同じ東北地方太平洋沖でマグニチュード(M)9クラスの地震が発生した場合の津波による被害想定を公表した。日本海溝沿いの地震では、死者を県全体で最大7,100人と推計し、6,254人の死者・行方不明者が出た東日本大震災を上回る。ただし、早期避難を徹底すれば犠牲者は8割以上減らせるとも指摘した。大船渡市については死者が最大50人(ただし、東北地方太平洋沖では最大400人)と推計した。
 

また、内閣府は10月13日、最大で19万9千人の死者が想定されている日本海溝・千島海溝沿いでM7級以上の地震が発生した場合、北海道から青森、岩手、宮城、福島、茨城、千葉県までの7道県の住民に「後発地震注意情報」を発信すると発表した。
 このことにより、対象地域の住民の防災意識の高揚を図り被害軽減につなげる考えだ。運用開始は12月からの予定。
最初の地震がマグニチュード(M)7以上だった場合、さらに揺れの大きい後発地震が起きる可能性がある。過去に2度確認されている。1963(昭和38)年の択捉南東沖地震ではM7.0の先発地震が起きた約18時間後にM8.5の後発地震が発生。また2011(平成23)年の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)ではM7.3の先発地震から約2日後にM9.0の後発地震が起きており、日本海溝や千島海溝沿いを震源域とする地震でも同様の事象が発生する可能性があるとしている。
 発信する情報は、巨大地震への注意喚起や備えの徹底など。住民には、避難経路や避難場所の確認、非常用の持ち出し品の準備、すぐ逃げられる服装で就寝など。企業に対しては、発災地の職員の役割分担確認や施設利用者への正確な情報伝達などを促す。(参考資料産経新聞等)