館報まっさき 第328号(令和4年4月20日発行)

新型コロナウイルスの感染経路

岩手においても、新型コロナウイルスの感染者が4月13日431人、14日は432人と2日連続で430人を超えるなど依然として高い状態が続いている。しかも教育・保育施設でクラスターが発生している。県は、4月16日の新規感染者は357人であった。うちクラスター(感染者集団)関連は85人、過去の患者との接触歴があるのは173人、感染経路不明は99人と発表した。この感染経路不明者(28%)、一体どこで感染したか、わからないという人達である。いま猛威を振るっているオミクロン株、どんどん置き換わり感染力を高めているだけに、その原因が気になっていたところである。それがどこで、どのようにして感染しているか少し見えてきたように思える。
それは、3月28日の国立感染症研究所のホームページに「新型コロナウイルスの感染経路について」と題した記事が公表された。その中で、感染経路は主に3つあり、①空中に浮遊するウイルスを吸い込むこと。(エアロゾル感染)②ウイルスを含む飛沫が口、鼻、目などの露出した粘膜に付着すること。(飛沫感染)③ウイルスを含む飛沫を直接触ったか、ウイルスが付着したものの表面を触った手指で露出した粘膜を触ること。(接触感染)であるとしている。

しかし、これまで主な感染経路として「飛沫感染」と「接触感染」があげられ、その認識に基づいた対策しかとられてこなかった。新型コロナウイルス感染症については、未知のところが多く、その時の状況に応じた対策しか講ずることができなかったからでありやむを得ないことだと思う。
ただ、昨年、米疾病対策センター(CDC)は感染経路の筆頭に「感染するウイルスを含んだ非常に小さな飛沫やエアロゾル粒子を運んでくる空気を吸うこと」をあげており、米国などでは「空気感染」を主な感染経路として認め、換気などの対策に重きを置いている。
また、世界保健機関(WHO)も「エアロゾルが空中に浮遊したままになるか、あるいは会話をする時の距離よりも遠くに移動する」として空気感染に注意を促している。
以上のことから、感染経路不明という人々の多くは空気感染していたと考えても不思議ではない。それだけに換気の重要性とマスクの着用が大切であると考える。また、リスクが低いとはいえ接触感染もあるので、これまで通り手指等の消毒は勿論、外出し帰宅した際はうがいするなど予防策を怠らないようにしなければならない。