新型コロナウイルスに感染しない・させないために
令和元年12月に中国湖北省武漢市で発生した「新型コロナウイルス」が世界各国で猛威をふるい人々をおびえさせている。
米国ニューヨークで新型コロナウイルス感染症の治療にあたっていた日本人医師(宮下智氏)が感染した体験(その恐怖)を次のように述べている。
宮下医師は病院に増設された新型コロナウイルス患者用の病棟を担当。2人の医師で30人を診ていた。症状が出たのは、連日の夜勤が終わった翌日の4月7日。インドカレーの味がせず、食後も身体が鉛のように重い。過労や運動不足が原因と思ったが、就寝後、悪寒、筋肉痛、関節痛で目を覚ました。「壁を伝わないと歩けないほどの倦怠感」を覚え感染を確認した。8日、38度を超える発熱と咳も出たため、職員用の遠隔診療を通じ10日の検査予約。「体調が悪い上に味覚も失い、食欲も衰えていった」と振り返る。感染は10日に確認され、その後、徐々に症状は改善する一方、11日には、嗅覚も影響を受けた。自分が飲んでいるのがコーヒーかコーラかさえ分からなかった。14日時点で、咳など症状があり、現在も自宅で自主隔離が続く。「新型コロナウイルスは長引く症状に悩まされる方が多くいる。頭でわかっていても、体験したことがないほど続く悪寒に恐怖を感じた」と話す。
新型コロナウイルスの患者は、比較的軽い症状が1週間続いた後、容体が急変する可能性もあり、病院では、自身と同じ30代の重症化した患者も診ていた。「自分は一人暮らしのため、夜間に安否を確認してくれる人がいない。夜間に呼吸の状態が悪化し酸欠に陥ったら」と思うと、心配で夜もまともに眠れなかった」と語った。
日本に対して、「無症状でも感染している可能性はあり、大切な人にうつす可能性がある。もし、その人が高齢者や心臓病、糖尿病などの持病のある人なら重症化するリスクが何倍にもなる」と警告。「個々人ができる範囲で、常識的な行動を心がけることが、感染拡大を食い止める鍵だ」と強調した。(2020.4.15の時事通信より)
感染しないための予防法
新型コロナウイルスはどのように感染するかと言えば、ウイルスが体内に入ることで感染します。その際、体内への入り口は、おもに口や鼻、目などの粘膜です。
まず、感染者の咳やくしゃみなどによって飛散したウイルスが、直接口や目に入ると感染します(飛沫感染)。つぎに、感染者が咳をしたり、口を触ったりすることで、感染者の手や指に付着。その手指でドアノブや電車のつり革などに触れるとウイルスがそれらに付着します。そして、そのドアノブなどに触れた他人の手指に移り拡散していきます(接触感染)。
あくまで、ウイルスの付着した手で、口や鼻に触れてしまうことが感染の原因です。
効果がある予防法というのは、ウイルスを体内に入れないため、まず、行うべきは、ウイルスが付着している可能性を考え、手を洗うこと。そして、粘膜への付着を避けるためにマスクをすることです。さらに重要なのは、「ウイルスから体を守る」ために免疫力を高めることです。免疫力が低下すると感染してしまいます。免疫力こそが予防の基本であるといわれております。
これからの生活のあり方
これからは、政府の新型コロナウイルス感染対策専門家会議が、長丁場の感染拡大に備えた「新しい生活様式」をまとめて提言した、その具体例や「岩手県からの要請」をしっかり受け止め個々人が守っていかなければ収束への道のりは遠い。
新しい生活様式の具体例をあらためて見てみよう。
<外出>マスク着用。帰宅後石鹸で丁寧に手洗い、 シャワーも。
<人との間隔>できるだけ2メートルあける。
<移動>会った人と場所を記録。
<生活>朝晩検温。小まめに手洗い、換気。会話時は症状がなくてもマスク。
<買い物>少人数ですいた時間に素早く。展示品への接触控えめに。
<スポーツ>ジョギングは少人数で、距離を取ってすれ違いを。
<公共交通機関>会話は控え、混んだ時間は避ける。
<食事>大皿、おしゃべり、多人数会食は避け、横並びで座る。
<働き方>テレワーク、オンライン会議励行。対面の打合せは換気とマスク。
岩手県からの要請
1 リスクの高い都道府県への移動自粛
・不要不急の規制や旅行など特 定(警戒)感染拡大注意都道 府県との移動は避ける。
2 3蜜のある場所への外出自粛
・クラスターが発生しているような施設(対策が講じられていない場合に限る)や、3蜜のある場所への外出を避ける。
3 施設・職場における感染対策の徹底
・施設は、入場者の制限や誘導、手洗いの徹底や手指の消毒設備の設置など実施。
・職場では、テレワーク、ローテーション勤務、時差出勤などを行う。
4 おもいやりのある行動と冷静な対応
・医療関係者らに感謝と思いやりの気持ちを。
・仕事や通院、葬祭への参列などで県外から訪れた人への冷静な対応。