館報まっさき 第259号(平成28年6月20日発行)

新県道に伴う未整備道路の整備を要望

末崎町復興推進委員会は6月14日第一回常任委員会を開き、現在課題となっている平地区上山防災集団移転住宅付近から末崎小学校前までの道路整備について協議した。
新主要地方道大船渡広田陸前高田線は船河原から終点の平地区上山防災集団移転住宅付近まで、新県道碁石線が末崎小学校前から碁石のキャンプ場付近まで計画されており、間もなく着工の予定である。それぞれの県道は3工区ほどに分けられ、現在、最終的な境界の杭打ち、土地や立ち木、移転建物等の評価と進んでいる。早いところは契約も済んでいるところもあり、皆一様ではないが、それぞれ進行中である。そういう状況の中で取り残されている未整備区間の道路は平地区上山防災集団移転住宅付近から末崎小学校前までである。この区間が整備されると船河原から碁石までつながり、大型観光バスの乗り入れによる観光客の増加が見込まれ、地場産業の発展、救急救命の搬送、火災時における消火活動、この度の東日本大震災のような災害時における救援物資の輸送や大型重機の乗り入れが可能となり、その後の復旧を一層早めることなど多くの効果が期待できる。まさに末崎町発展の生命線となる道路になる。この未整備区間の道路は、課題も多い。その一つは、県道と市道に分かれていること。上山防災集団移転住宅付近から現滝田医院に入るところまでが県道、そこから末崎小学校前までが市道である。県は間もなく着工する二つの新県道が完成した後、未整備区間の通行量を見て市道を県道に格上げするか否か考えるとしている。市も未整備の県道部分を整備して頂くよう県に要請することにしているというだけで、市道の県道への格上げや整備を要請するわけでもないし、復興交付金を活用して市道の拡幅を考えているわけでもない。今、求められているのは、発想の転換である。問題が発生しなければ現状のままでよいとする考え方をあらためることである。それは通行量が少なければ、格上げも整備もしないという考えを180度変えることである。道幅を大型観光バス等が乗り入れられるように整備してこそ、観光客がバスを連ねてくるので、如何に大船渡市が誇る碁石海岸でも、道が狭くバス等の乗り入れが難しいとなれば旅行取扱業者も見学場所として企画しないのである。碁石観光や地場産業の発展、さらに企業誘致による地域経済の活性化を図るためにも道路整備は重要な問題である。このことを市や県に認識して頂いて次年度の道路整備計画に盛り込んで頂きたいと願っている。末崎町復興推進委員会としては、市当局に末崎町のみでなく大船渡市の発展にも欠かせない道路であることを認識して頂き、市道を県道に格上げし、未整備区間の整備を次年度の道路整備計画に盛り込んで頂きたいと考え、市に陳情し、県に働きかけて頂くよう強く要請することとした。その他の道路問題については、平地区から丸木までの県道は道幅が狭く曲がりくねっている。さらに登り下りも多く待機場もない。現在工事車両が行き来するが、そのダンプカーと対向すれば、すれ違いできるところまで戻らなければならない。地域住民からすれば通学路にもなっていることから、毎日子供が事故に遭わないか心配の絶えない生活である。この道は拡幅しようにもできない。新たな道を造らねば解決しないが考えてほしいとの要望があった。