<ご長寿のお祝い>
敬老の日を迎えられましたご長寿の皆様、心からお祝い申し上げます。今年も新型コロナウイルスの感染予防のため敬老会の開催を差し控えさせていただきました。ご理解の程お願い申し上げます。
よって、敬老会対象者の皆様には、記念品(バスタオル)、菓子折、対象者名簿をお届けさせていただきました。
末崎町の本年度の敬老会対象者(75歳以上)は969人(男性395人、女性574人)です。最高齢者は小細浦の武田武男さんと門之浜の田畑ミネ子さん103歳です。次いで100歳を迎えられましたのは、平の津田シケリさんと小田の上部ナカエさんです。以上100歳以上の方々は4人です。
なお、95歳~99歳は26人、90歳~94歳は102人、85歳~89歳は203人、80歳~84歳は299人75歳~79歳は335人です。
あらためて、ご長寿の皆様には、心からお慶び申し上げます。
厚生労働省は2024年7月26日、2023年(令和5年)の平均寿命を発表しました。
男性は81.09歳、女性は87.14歳となり、前年と比較して男性は0.04歳、女性は0.05歳延びました。平均寿命は男女ともに2021年、2022年と2年連続で短くなりましたが、2023年になって延びたのは、悪性新生物(潰瘍)や新型コロナウイルス感染症などの死亡率の低下などによる死者数の減少が影響したと考えられています。
さて、人は誰でも、ただ長生きするのではなく、健康な状態を保ちながら生活したいと願うでしょう。そこで重要になるのが「健康寿命」です。
平均寿命は「生まれてから亡くなるまでの平均的時間」のことをいいますが、健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことです。
日常生活が制限されるとは、病気で入院したり、介護を必要としたりなど、自立して元気に生活することができない状態のことです。ただ長生きするだけでなく、
生活の質を考慮すべきという認識の高まりから、健康寿命に注目が集まるようになりました。
厚生労働省が発表している統計によると、日常生活が制限されてしまう大きな要因は、認知症、脳卒中、高齢による弱の3つです。これ以外の要因には、関節疾患、骨折・転倒などが挙げられています。
さらに、課題は、これらの要因で介護や医療を必要とする時間が長くなるほど負担が大きくなってしまうことです。
2019年のデータに基づいてみると、健康寿命(男性72.68歳、女性75.38歳)と平均寿命(男性81.41歳、女性87.45歳)の差は、男性が8.73歳、女性が12.07歳となっています。これは、男女とも約10年前後にわたり、健康上の問題で何かしらの制限のある生活を送っているということです。
日本政府は、2019年に「健康寿命延伸プラン」を策定しました。2040年までに健康寿命を男女ともに75歳以上とすることを、目的としその施策をまとめています。
健康寿命延伸プランは、健康無関心層を含めた健康づくりの推進、地域・保険者間の格差の解消に向けて、環境づくりや疾病予防、介護予防を中心に取り組みを進めています。毎年実施される健康診断も、癌の早期発見への取組であり、健康寿命を延ばすことにつながっています。
健康寿命を延ばすためには、
個人の取り組みも重要です。要支援者となってしまわないように、定期的に運動し、筋肉や関節、骨の運動機能を維持することが大切です。散歩に出かけたり、近距離の用事の時は車を使わず歩いて行くなど日常生活の中で体を動かすようにしましょう。
また、読書する、絵を描くなど、脳を積極的に活性化させることは、要介護要因1位である認知症予防になります。体と脳をしっかり活性化させることが、健康寿命を延ばすための個人でできる取り組みです。
さらに、高齢者の健康寿命が延びることは高齢者自身の生活の質を高めるだけでなく、長く働き続けられる人口の増加につながります。少子高齢化が進む日本では、働き手が少なくなってしまうため、高齢者の健康を促進することで、生産年齢人口の減少に対応することにもなるのです。
また、健康寿命を延ばすことは、医療を必要とする期間(時間)が短くなることを意味するので、医療従事者不足対策の一つになると考えられるのです。
ただ健康で長生きすることは、経済や社会に貢献することになるということが強調され過ぎて、医療を必要とする高齢者が生きづらい社会になっては本末転倒です。医療を必要とする人が、しっかり受けられるようでなければなりません。そのためにもできるだけ健康であり続け、持続可能な社会を作っていかなければなりません。
ご長寿の皆様には、くれぐれも御身を大切にして頂き、いつまでもお元気で自分らしくお暮しになられるよう念じております。
(参考資料)スペースシップアース、健康寿命とは?
R6 館報9月