末崎の公共交通を考える
末崎地区に関わる公共交通といえば、BRT、県交通のバス(高田線と碁石線)、タクシー等である。県交通高田線は利用者数が少ないことから12月29日をもって廃止することが決まっている。タクシーは12月19日から初乗り1㎞料金が540円から610円に値上げになった。これらのことから市当局は、末崎地区の公共交通について、日頃市地区で実施している「デマンド型交通」にしてはどうか、と提案してきた。
「デマンド型交通」とは、利用者の予約に応じる形で、運行経路や運行スケジュールをそれに合わせて運行する地域公共交通のことである。
デマンド型交通にはいろいろな方式・形態がある。日頃市地区での運行形態はエリア型で、そのエリア型の中の起終点固定デマンド型というものである。
終点固定デマンド型とは
起点の出発時刻または終点の到着時刻のみ固定しており、起点出発前に予約を受けた地 点を経由して運行する形態。
乗降できる地点は指定されており、特定のエリア内に多数配置されている。決まった経路で運行するわけではなく、運行前に予約した利用者が乗降を希望した地点のみに停車し、予約の入っていない地点には立ち寄らない。
日頃市地区では、次のような形で運行されている。
1 運行日は平日。土日祝日お よび年末年始は運休。
2 運行区間・料金
日頃市地区内は1人500円
日頃市地区からサンリア、 盛駅、市役所、大船渡病院 までは、1人1,000円
日頃市地区から大船渡駅、 マイヤ大船渡店までは1人 1,500円
3 利用できる方
市内在住の方で事前に利用
登録された方
4 登録申請
事前に市役所にて登録申請 書に氏名、住所等を記載し て提出する必要がある。
現在の登録者数は125人
5 運行時刻表
(往き)日頃市地区7時、
9時、10時30分、13時の4便
(帰り)大船渡地区発12時、15時の2便
6 予約時間
利用日の前日7時30分から 16時30分までにタクシー会 社に電話して予約する。 以上の運行条件等については、日頃市地区と市当局が協議し、日頃市地区が市に要望する形で、 年2回開催される公共交通会議(陸運局、タクシー協会、大船渡市の3者による会議)に諮られ決定したものである。
末崎地区で導入にする場合は、いくつかの課題がある。
①利用できるのは、市内に住んでいる人で事前登録した人のみとなっていることから、観光客は利用できないので観光振興や交流人口促進事業に活用できない。
②利用できる範囲も市内のみであることから、陸前高田市と隣接している当地区は陸前高田市へ通院や買い物へ行く機会が多いが利用できない。
末崎地区でデマンド型交通を導入するか否かについては、地域公民館長を通して各地域の意見を伺うとともに地区の要望が公共交通会議でどれ程受け入れられるか状況を見ながら、地 域公民館長会議で検討し決定したいと考えている。