令和6年館報まっさき 12月号

<デマンド交通の今>
大船渡市は末崎地区においてデマンド交通の実証実験運行を10月から行っている。2ヵ月過ぎた現在の状況について市当局から伺った。
11月末現在の利用登録者数は178人、うち65歳以上が156人(87・6%)となっている。
10月初めから11月末までの2ヵ月間の利用状況(行き先別)は、つぎのとおりである。
(町外)①マイヤ大船渡店(28回)、②県立大船渡病院(23回)、③盛駅(17回)、④市役所(12回)
(町内)①細浦駅(116回)、②碁石海岸口駅(70回)、③滝田医院(5回)、④その他(3回)となっている。
なお、実際の利用者数は25人(男10人、女15人)で、うち65歳以上は16人である。
また、町外に出かけて用事を済ませ、自宅に帰る際、利用する人はどれくらいあるのかと尋ねたところ、極めて少なく1桁台とのことである。
帰りに利用しない要因は、例えば病院に行くときは利用するが、病院での混み具合で何時に診察が終るかわからない。その上、薬も処方してもらわねばならず、何時に帰れるかわからないので、帰りは利用しない。買物の場合も品定めにどれ程の時間を要するかわからないからである。それゆえ、どうしても行きの場合のみ利用することになる。
 さらに町外への利用者が少ないのは、何といっても運賃(料金)が高いからである。タクシー料金より安いとはいうものの、バスよりかなり高い。だからBRTの最寄りの駅までデマンド交通を利用し、そこから、BRTに乗り目的地に近い駅で下車し、徒歩なり、タクシーで目的地(商店や病院等)に行く。そのことが前述の細浦駅や碁石海岸口駅までの利用者数から読み取れる。
 実際、買物に行く場合、買物金額に安くない交通費がかかるので容易に買物にも行けない。近頃は物価高騰で年金生活者にとっては厳しい。
もう少し運賃を安くして頂ければ有難いのだが・・・。

R6 館報12月