館報まっさき 第339号(令和5年3月20日発行)

学校統合はどうあるべきか

大船渡市教育委員会は2月27日夜、ふるさとセンターで末崎地区の住民やPTA関係者に大船渡中学校と末崎中学校の統合に係る説明会を開催した。
 はじめに市教育委員会は学校の適正規模・適正配置基本計画および大船渡中と末崎中の統合に係る保護者アンケート結果について説明。それから出席者から意見を募った。多様な意見が寄せられた。
 この説明会には地域公民館長・地区の諸団体の代表者・元協議会委員や小中学校の児童・生徒の保護者ら50人程が出席した。市教委側は小松教育長、遠藤学校統合推進室長らが臨んだ。
 

この説明会は市教委が「学校統合に係る現状を示し幅広く意見を聞こう」として開催したものである。
 意見交換では、はじめに「将来的には統合は必要と認識しているが、それが今かというとそれはどうかと考える。地域から学校が無くなればさびれていく。これからの進め方だが教育委員会主導でなく、地域の方々と話し合う場を大切にしてほしい」という声が寄せられた。また別の出席者からは「統合は多くの人が望んでいる。子供たちの多様性からも早く統合すべきだ。また、部活動の選択肢が広がるのもいい」とか「統合の話し合いは新しい委員で」という声も出た。一方、これまで協議会に参加してきた出席者は「白紙になったのは、校名のみで折り合わなかったからと捉えられているがそうではない。対等平等の関係で話し合うとしていたがそうならなかった。色々積み重なって合意に至らなかった」と指摘。別の出席者からは「諸般の事情からいじめが懸念された。いじめ・不登校は当人にとっては重大な問題だ。統合は躊躇する」や「校名に関しては市教委の指導なり調整があってしかるべきだった」との声もあった。その他スクールバス通学への懸念も話題となった。
 市教委は昨年7月、学校統合にかかるアンケート調査を小中学生の保護者に対して行い、結果は、「統合した方がいい」が、大船渡地区(大船渡中、大船渡小、大船渡北小)59.7%、末崎地区(末崎中・末崎小)は57.1%であったと報告。令和2年12月の学校統合推進協議会において、互いに歩み寄れず、学校統合は白紙になった。以後については、「気運が出たときに話し合う」として協議会を閉じた。
末崎中学校の生徒数は、これから8年間は60人台から70人台が続くので現在の状況と変わりない、それ故、統合問題は、もっと気運が高まってから、と考えていた。
 しかし、市教委は早期に統合を進めたいと考えたのであろう。保護者に十分な説明がないままアンケートを実施。
もう少し丁寧な進め方をして頂ければ、と考えさせられる。末崎町の現状は?というと確かに少子高齢化、人口減少は続く。統合で学校が無くなれば町は一気にさびれていく可能性がある。いずれ、数年後には、統合やむなしとの状況になることは、誰もが感じている。しかし、その判断が今すぐかと言われれば・・・こころが痛む。